地球温暖化対策と低炭素社会の実現と再生可能エネルギー利用普及のための政策として打ち出されたソーラー発電の固定価格買取制度は、開始してから10年が経過しました。
開始後しばらくして買取価格は1キロワットアワーあたり40円を超えたときもありましたが、現在では20円を割っています。また家庭用のソーラー発電設備での買取りは10年間が同一価格でしたので、当時の適用価格が満了する世帯も出始めます。しかしながら買取価格が下がっても、ソーラー発電設備の利点が無くなったわけではありません。
余剰買電による収入はこれからは期待ができませんが、大規模災害発生時の停電が継続して起こった場合は日中の晴天時であれば発電した電力が使用でき、蓄電池があるのであれば夜間や雨天時でも電力の使用ができます。発電設備は設置すればそのままで良いわけではなくて、定期的な点検やメンテナンスが必要です。一般的に電気機器は耐用年数が15年程度であるので、発電設備のパワーコンディショナーなども同様な耐用年数です。耐用年数に到達していなくても、専門業者による発電設備全体の点検を依頼することで、継続的な利用ができます。
点検時には、発電パネルとパワーコンディショナーとを結ぶ電力ケーブル、それを固定している結束バンドなどの点検もするべきです。ケーブルや結束バンドは紫外線や降雨によって劣化することがあり、ケーブルの被覆の劣化によって絶縁不良を起こして地絡や短絡になったり、結束バンドが劣化で外れてしまいケーブルと機器の接触不良を起こすことが考えられます。発電設備は屋根の上に設置されていることが多いので、簡単に状況確認がしにくいのですが、専門業者に依頼して高所の設備点検を行い、安定した発電と運用ができるようにしておくことで、温室効果ガス削減と有事に対する備えの双方が実現できます。